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ごあいさつ​

若者よ、Resilienceを養おう!

第22回国際ボランティア学会 学術大会
                      大会長 小川寿美子

 新型コロナウィルスが国境を越えて蔓延し、人やモノの移動が想像を超えるほど制限されるなかで、私たちは今、生活をしています。このような事態で重要な姿勢がレジリエンスです。
 レジリエンスとは、“外的な衝撃にも折れることなく立ち直ることのできるしなやかな強さ”のことです。グローバルな世界で益々進化するテクノロジーによって社会はより複雑化しリスクが高まり、ある意味で人との絆が希薄化します。
 国連ボランティア計画(UNV)が刊行した2018年の『世界ボランティア白書』(The State of the World’s Volunteerism Report)のテーマは「The thread that bind」(結ばれた糸)で、奇しくもサブタイトルにはレジリエンスという言葉が使われています(「Volunteerism and Community Resilience :ボランティア活動と社会のレジリエンス」)。ボランティア活動は社会を“回復する力”である、すなわちコミュニティ内のバラバラな糸(ヒト、モノなど)を束ね、強靭な社会を形成する力となる、と本書には書かれています。
 ところで、本学術大会の特徴は “学生主体”の企画にあるといえるでしょう。すなわち本大会の準備や実施に学生が主体的に関わっており、例えば企画セッションのアイディアから出演者(発表者やファシリテーター)に至るまで学生たちが中心的な役割を担っています。彼らが企画のプロセスを通じて、自分と違う年代、性別、仕事、習慣、国籍の人たちと関わっています。私たちは時代の様々な変化についていける力を鍛えるためには、自分と向き合いつつも、そのような様々な人たちと交わることが大切です。そこからそれぞれが将来のロールモデルを得るきっかけも生まれるでしょう。これは、国際ボランティア活動にも共通する経験ともいえます。
 今回の大会はオンライン開催となります。参加する皆さまも、本大会にて国際ボランティアについて語り、共感し、想像や理解力を高めることによって、今後、各々が自己の、他者の、そして社会のレジリエンスを高める原動力になることを期待しています。

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『世界ボランティア白書』(UNV,2018)
https://www.unv.org/publications/swvr2018

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